LCCで行く空港夜明かし弾丸0泊2日遠征のはなし。

去年の一年間で東京に遠征した回数は4回。

 

私にしては少なかった。
ひどいときは一か月のうちに4回東京に遠征してたなんて時もあったのに。

 

 

我が地元は広島。
どのアーティストであれナマモノに触れたくてもなかなか来てはもらえないわけです。
だから遠征せにゃいかん。
インストだとか内容によっては「そのためだけに遠征?」って言われてしまうこともよくあるけれど
そのほんのちょっとのことでさえ遠征しないと体験できない悲しみを背負いながらなのだよ~。そう言わないで~。
地方民だってワンマンだけじゃなく、こまごましたしたイベントも行きたい。


さて。限られた予算で行く回数を増やすには交通宿泊費をどれだけ節約できるかにかかっとる。
じゃらんとかで旅行パックやホテル予約を利用する他、高速バス、18きっぷ、夜行列車、
カプセルホテル、ネカフェ泊、友人宅泊、飲食店オール、、、、
キャンペーンや格安きっぷの情報をキャッチし、考えられる限りのことはやってきた。

中でも東京という場所に限って言えば一番費用を抑えられたのが
往復LCC&成田空港で一晩明かす0泊2日遠征でした。


周りの友達も居住地問わず各地を飛び回ってる人が多いけど
この方法で遠征したことある人は聞かないんですよね…

過酷だし必ずしも安全性に保証がないからおススメはしないけど。


ホテルはどこ?と聞かれて「成田空港で一晩明かす☆」と答えるとだいたいびっくりされたので(そりゃそーだ)
どういう状況なのか書き記してみる記事です。


そもそも私は飛行機が苦手で、100%酔う上に飛行機頭痛を起こしたこともあって。
この世の終わりを見る痛さをを過去3回経験してその度に二度と飛行機乗りたくない!って思うのに、
お値段で選んでしまうことを繰り返す…。
極力頭痛起こさないように念入りに対策を取り、酔い止めと痛み止めを必ず持って行く。
そうしてまで行きたいんだよなぁ。


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この手段で遠征していた2015-2018年頃のざっくり情報(今現在とは違う部分あり)

広島からだと春秋航空(SPRING)の成田便が唯一使えるLCC
広島市内から空港までリムジンバスで約45分。
途中の高速道路が渋滞頻発地帯なので早めに空港に向かうこと必須。
そこから飛行機で成田まで約1時間半。
成田から都内までバスでまた1時間半。

乗り換え等含めると片道6時間ほど。
(ちなみにANAJAL羽田空港を使うと約3時間。新幹線だと約4時間。夜行バス約11時間)

1日往復2便。
ライブに行くためには13時頃成田到着の便と
帰りは次の日の早朝7時の便を利用。

成田と都内の交通手段はほぼ大崎駅発着のバスにしてました。


行きは普通に広島空港→成田空港→都内。

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ライブやイベントが終了すると即帰り道開始。

夕食は会場付近で友達と食べるか、ひとりならバス出発までの時間つぶしを含めて大崎駅のデニーズに。
良いライブの後にひとりでかっくらうお肉はとてもおいしいよ(だいたいハンバーグ食べてた気がする)

さてそのデニーズからすぐのところにあるバスターミナルから深夜1時に成田空港行のバスが出ます。
遠征の民のお友達、某ピンクのバスに乗って一路成田空港へ。
座席のシートが皮でひんやりしているのでいつもひざ掛けを敷いてた。

 

成田空港に到着するのはおおむね午前2時半くらい。うとうとしてたらあっという間。
LCC発着の第3ターミナルで下車。


到着したらロビーに入り、まずは朝まで自分が過ごす場所を確保する。

 

成田空港のロビーは深夜や早朝発着のLCCに乗る乗客のために
そこで夜を明かせるように24時間空いてるし
なんなら寝ころべる仕様のソファがある。

ソファには同じく一夜を明かすために男女国籍年齢問わずいろんな人が転がってる。
成田空港という場所柄、ここは半分外国。

 

荷物を置いて場所を確保したら、
まず私はいつもお手洗いでメイクを落とし歯を磨き楽な服に着替えてた。マスクも装着。
お手洗いもそういった洗面がしやすく広々としてる。

 

余談ですけど洗面と着替えをしてソファに戻ったら
外国人の女性が私の確保した場所で豪快に寝ていたことがあった。
そうここは半分外国。
日本人ならなかなか人の荷物を追いやってまで場所確保はできないと思うけど…
そうここは半分外国。

 

気持ちよさそうに転がってる女性の横からそっと自分の荷物を引き上げ、私は移動。

 

こういう時とか、ソファを確保できなかった場合はフードコートのテーブルと椅子に場所を確保します。
(フードコートの周りにソファがある感じの造り)
こちらは人が少ないのでテーブルと、椅子を3~4つくらいひとりで使える。
寝るときは椅子を並べてそこに体を横たえる。
木製の椅子は寝心地最悪ですけども。無理。


こういう時どこでも寝ることができる人が本気で羨ましい!
私は家のお布団以外で寝るのが苦手なので(普通のホテルもほぼ眠れない)だいたいボーっと起きてました。
ターミナル内のお店は基本的に閉まっているけどローソンだけは24時間営業。
ここでコーヒーとお菓子なぞ買って、
ライブのセトリやMCをメモし、レポとか感想とかをスマホにのんびり記録しとった。
お水は24時間給水機が使える。
フリーWi-Fiが飛んでるのでネット環境も問題ない。
充電できる場所もあるけどけっこう埋まってることが多いのでモバイルバッテリーは必須。
多様な人種がそれぞれの時間を過ごしてる空間は自由で独特。

 

そう、それはそれで楽しいのである。

 


ちなみに治安はというと、私が見た限りは良好。
警備員さん居るし。おひとり様も大変多い。
大きい声で通話する人はたまにいるけど騒ぐような人は居ない。

ただ、多様な人間が入り乱れた空間なので、ある程度自衛するのも必要だと思う(っていう意味で寝れないのもあった)

 


この遠征方法を2回くらいやった時に「あ、これはサバイバルだ」とおもった。


いや求めてない…

 

最初頃はお風呂は家に帰るまでお預けでした。
いつも湯船に必ず浸かる私にとってはお風呂に入れないというのがとても辛く
何より身体の冷えがひどい。
カイロをいくら使っても家にたどり着くまで寒気が止まらない。
更に早朝便で帰ってそのまま仕事に行くってことも出てきたので(過酷)
シャワーを浴びに行くという方法を取り始める。


成田空港第2ターミナルに「ナインアワーズ」というカプセルホテルがあるんですよ。
無駄を省いて機能的で使いやすくカプセルも寝心地良く都内の店舗では何度もお世話になりました。

成田空港のナインアワーズはカプセルと言えど立地のアレで正直高い。
とにかく安く遠征をするというのが肝だから泊まれない。
(泊まっても滞在時間4時間くらいだしねぇ…)
だけれどここは1時間1000円でシャワーの利用ができるのです。

タオルは借りれて、ブースに棚があって使いやすく、シャワーも水圧があってしっかり温まることができる。
難点は第2ターミナル内にあるとは言えロビーからかなり歩かないといけないことでしょうか…
初めて行った時は途中で心が折れかけた。

 

とはいえ汗を流して温まると気持ちも全然違うので、これで1000円なら全然アリ。
バスで成田空港に到着の際はまずは第2ターミナルで下車するようになった。

 

4時半からターミナル間の連絡バスが運行されるのでそれを使って第3ターミナルへ。
ちなみに連絡通路もあって歩いて行くこともできるけどかなり遠い。
連絡バスが動いてない時間に仕方なしにあの道を薄暗い中ひとりで延々歩いたことあるけど気が狂いそうになった。
あと防犯カメラはあるだろうけど警備の人はおらず、ほとんど人影ないからちょっと安全性的に微妙な気がする。

 

バスの運行を待つ間に第2ターミナルに居たことも。
第2ターミナルも24時間開放されていて第3ターミナルより一層国際色豊かな客層で。
ふと見まわしたら日本人は警備の人と私しか居ないっぽい時もあった。
ここはほぼ外国。

 

あと第2ターミナルの第3ターミナル側寄りにLCC客用の大きめの待合スペースもある。
ここも利用したことあるけど第3ターミナルから遠いから1回だけだったなぁ。

 

 

私がこの遠征方法を取り始めた最初頃はそこまで人が多くなかったけど、だんだん目に見えて増えてってました。

忘れもしない2016年12月24日。riceありったけスーパーライブ@原宿アストロホールを終えて成田空港へ向かう。
クリスマスを成田空港のロビーで迎える人間なんてなかなかおらんじゃろ!
と、余裕な気持ちで降り立ったところ、予想外に人が多く…っていうか多すぎて最終的にフードコートの椅子にすら座れず地べたで寝転がってる人続出しとった…
(私はかろうじて椅子確保できたけど…)
この方法の遠征した中であの日が一番人が多かった。みんなクリスマスに何しとんの(自分もな?)

 


あと、キャンペーンで取った航空券は手荷物を預けると別料金が発生することもあったので、だんだん慣れてくると夜明かしするのに必要なもの必要ないものよりわけて
荷物は最小限に機能的にリュックひとつとか身軽になってました。遠征前後の準備も片付けも楽。

 


さてさて、第3ターミナルに戻ります。

4時半になるとフードコートのお店が開き、5時くらいになると各航空会社のカウンターが開いて搭乗手続き開始のアナウンスが流れ始める。
にぎわってくると長い夜が明けた気持ちでホッとする。

 

フードコートには各店朝食メニューもあったりするし、
鉄板焼き系のお店では朝からつまみとビール買ってる人も居て、いいなー!って思った!(そこ)
私は睡眠不足になると必ず胃の調子が悪くなるので実行したことはないのだけど…
フードコートのうどんか、ローソンでおでんといった温かくて胃に優しいもの食べておった。


アナウンスで広島便の搭乗手続き開始が流れるとチェックインしに。
カウンターがすぐそこだから楽々。
この成田空港第3ターミナル遠征の何が良いって、カウンターが近い、保安検査場なんかすぐそこ!
直前までのんびりできるのです。
疲労と睡眠不足と胃の調子の悪さでそもそも動けやしなかったけど。


保安検査場を抜けて待合室へ行くと、大きな窓から空港の景色が見える。浸る。

だいたい広島便は連絡バスに乗せられてびっくりするほど遠い駐機場まで輸送されることが多かったんですけども。
(もはや第3ターミナルが見えない)


午前7時、ライブの余韻を胸に夜明けの空へ春秋航空の機体は飛び立つのであった…。

 

 


(飛行機の中ではひたすら乗り物酔いと飛行機頭痛への対策)

 

(広島空港着いた瞬間に速攻で市内行きリムジンバスに飛び乗って職場を目指す)

 

(しぬ)

 

 

 


そうして約3年くらい東京遠征の6割くらいはこの方法で遠征をしてました。
時間はかかるし過酷だったけど
それよりもライブに行きたい音楽を聴きたいメンバーに会いたい…その価値だけで動いとった。


最後にこの方法を取ったのは2018年11月1日。
その日はrice@渋谷duo公演。
どうしても彼らに会うには東京中心だし
活動休止前ということもあって無理な遠征を繰り返してわりと満身創痍だったのもある。
しにかけながらなんとか成田空港にたどり着いてボーっとロビーで過ごしてた時にふと
「あ、もういいや」
って思った。
最初は面白かったけど何度も繰り返してるうちにしんどさしか残ってないことに気づく。

 

普通にお布団に寝転がりてぇ…地方民つらぁ…(しょぼん)

 

 

 


終。

 

 

 

これ以降はそこまで東京に行く必要がなくなったのも幸いして、
この方法はとっていないのですけれど。
また予算と相談した結果、成田空港で一晩お世話になる日が…来ないといいなぁ。